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2008年10月28日

新型インフルエンザって、どんな病気?

 
新型インフルエンザとは、どんな病気でしょう? 一言で

通常のインフルエンザより、重症になる可能性が高い。
ただ、通常のインフルエンザと同じ程度かそれ以下になる
可能性も残る。

大事な事は、 現時点では、診療所や病院には新型インフルエンザに対しては
通常のインフルエンザのような迅速検査キットはない。

迅速検査の代わりに、指定病院で、遺伝子の検査をすると、
有る程度は診断出来ます。 ただ、通常の診療所では検査で
できません。 また、結果が出るまでに、2日位はかかります

幸い、平成20年の5月に、国立国際医療センターが鳥インフルエンザに
対する迅速キットの作成に成功したとされています。
http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008050901000764.html


通常のインフルエンザでも、熱などの症状のほとんどない
いわゆる無症候性、または、症状の弱い患者さんが
いることが、 迅速検査で分かってきました。

同じように、ほとんど症状のない
新型インフルエンザの患者さんも出てくる可能性があります。


詳しく、説明すると

1 現在、 鳥のあいだで流行しているインフルエンザが、
  鳥インフルエンザです。
 
2 たまに、人にもうつりますが、人から人へは、ほとんどうつりません。

3 何かの拍子(遺伝子変異)で、人から人へうつるようになったら、
  新型インフルエンザです。

4 新型は、未だ、発生してません。 
毎年、冬になると流行するのは、通常型インフルエンザです。 

5 新型インフルエンザが発生したら、通常のインフルエンザは、
  旧型インフルエンザと呼ばれるのかもしれません。

6 通常型インフルエンザも、一昔前までは、流行性感冒と
  呼ばれていました。 新型インフルエンザは、新型流行性感冒
  と呼ばれるのかどうか、わかりません。

7 新型インフルエンザも、通常型インフルエンザも、 
  そして感冒も、 ウイルスと言う極めて小さな生き物?が
  人の鼻や、のどに住み着いて、増えていく病気なのです。

  その意味では、新型インフルエンザ対策の基本も、
感冒対策と同じです。 問題は症状のきつさです。

1 おそらくは、新型の方が、通常型より、はるかに症状が激しい。
  これは、今までの、鳥インフルエンザの経験からです。 

2 ただ、場合によると、通常型と同じか、または、通常型
  より軽い症状になるかもしれません。 そうなって、欲しいところです。

  通常型と同じか、運良く軽ければ、新型インフルエンザ
  対策は楽になります。 

  鳥型インフルエンザに感染した時のような、きつい症状が
  新型インフルエンザになった時も、つづけば、大変な事です


  新型インフルエンザを考える上で、一番、大切な点は?

1 発生してから、しばらくは、 発熱センターへ行っても、 
  新型インフルエンザかどうか、診断がつかない。

  指定した医療機関で、遺伝子検査を受けて、数日以上すると
  有る程度の可能性で、新型インフルエンザと断定できるのです。

  ただし、国立国際医療センターが鳥インフルエンザに
  対する迅速キットの作成しており、普及すれば、有る程度の
迅速診断が可能となる。 

  しかしながら、通常のインフルエンザを通常の
インフルエンザキットで診断する時も、 検体の取り方や時間などで、
本当は通常のインフルエンザであっても、誤って、

通常のインフルエンザでないと
  診断されるなど、 通常、新型、のいずれにおいても、
  迅速検査は、必ずしも、万能とは言えない。 見逃しも、十分にありうる。

  もちろん、新型インフルエンザと確定診断がついた人と、
接触していれば、 有る程度は、新型インフルエンザ
でないかと推定はできますが、 個人個人について、
  確かな診断は出来ません。
  症状のほとんどない通常型のインフルエンザの患者さん
  もいます。

  新型インフルエンザかどうか、有る程度の推定は出来る
  でしょう。 しかしながら、 新型インフルエンザでないとは
  どの医師にも診断できないのです。

  この事は、非常に重要な事です。

  発熱センターでも、確実には新型インフルエンザであるか
  どうかの診断ができないのです。 

  通常のインフルエンザであれば、後に説明しますように、
  診断の試薬が有ります。

  ところが、この試薬は、新型インフルエンザの診断には
  使えないのです。

  「パンデミック フルー」と言う、新型インフルエンザの本を
  書かれている医師でない研究者の方でさえ、この事を
  誤って、検査ができるように、本に書いてます。
  国立国際医療センターが鳥インフルエンザに
  対する迅速キットの作成に成功する以前に、そう書かれてます

  WHO(世界保健機構)の文章では、この事をはっきりと、
  書いてあります。


2 通常型のインフルエンザでは、 診察室で検査すると、
  10から20分ぐらいで、結果が出ます。

3 新型インフルエンザでは、遺伝子など特別な検査が必要です。
  特別の検査室、通常は県に1カ所か、場合によれば、
  東京の検査施設に送って、 結果が出るのは、おそらくは、
  最低で2日、以上はかかると思われます。

  国立国際医療センターの鳥インフルエンザに対する迅速キット
  が十分に使用できるまで、 どうするのでしょうか

  受診しても、検査して、診断ができないのなら、
  なんのために、受診するのでしょうか ?

1 検査は出来なくても、 新型インフルエンザの可能性があれば、 
  新型インフルエンザに効くと想像される薬、 タミフルなどを、 
  服用できます。

2 感冒の問題点は、特に新型インフルエンザの場合は、
  感冒がこじれて、肺炎などを起こしているか
  どうか、呼吸音などを聞いて、十分に判断できます。

3 肺炎などには、通常の抗生物質が有効です。

新型インフルエンザが疑われる時も、普通のインフルエンザの時も、
通常の感冒の時も、聴診器で、肺の呼吸音を聞くのが、一番大切です。

きかわ小児科の新型インフルエンザ発生時の対応について

1) 感染防止のために、適切な時点で、診療所は閉鎖します。 出来る範囲で、往診に切り替えます。

2) 往診は、主として、通常疾患を対象とします。(熱の出ていない)  

3) ファクス58-0339および 新型インフルエンザ専用アドレス new-inf@hotmail.co.jp に
   連絡をお願いします。 (アドレスは、新型インフルエンザ発生時のみ有効です)

4) 基本的に、再診の方のみ、3才以下(次に、3才以上)を優先させていただきます。

5) 氏名(保護者名も)、カルテ番号、 住所、 目安になる建物、電話番号(固定、携帯、Fax)、 
   メールアドレス(CP,携帯)、 病気の症状など、 知らせて下さい。 
   こちらから、往診できるかどうかなど、連絡します。

6) 熱のあるお子さんの往診については、 どうするか、 感染や流行防止のため、 
   細かい点は現在、検討中です。

   備えあれば、憂いなし とはいきませんが、 医療機関として、準備を始めました

投稿者 kikawa : 2008年10月28日 14:29

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